モーションセンサを用いた歩行解析技術は、用いられるセンサのスペックや装着場所などの違いにより製品ごとに精度が異なります。そのため、研究や臨床現場に用いるには製品の歩容解析の精度が非常に重要になります。2022年4月からORPHEは大阪大学大学院医学系研究科「運動器スポーツバイオメカニクス学共同研究講座」に参画し、成人健常人9名の歩行・走行(2–12km/h)を対象に、シューズ内及び足背部に装着したモーションセンサORPHE COREと歩行解析システムORPHE ANALYTICS、及び従来的な手法の光学式モーションキャプチャシステムを用いて歩行解析を行い、8つの歩容パラメータの相対的妥当性(relative validity)を級内相関係数(ICC)を用いて検証しました。本研究の結果から、ORPHE ANALYTICSで算出された多くのパラメータ(ストライド時間、ストライド長、ケイデンス、スピード(シューズ内蔵時)、足の高さ(シューズ内蔵時)、立脚期時間、遊脚期時間、接地角度)が光学式モーションキャプチャの結果との良好な相対的妥当性 (excellent relative validity, ICC > 0.9)を有することを明らかにしました。本研究成果はPreprintサーバに登録され、一般に公開されています。Validity of gait parameters of healthy young adults using a motion-sensor-based gait analysis system (ORPHE ANALYTICS) during walking and running今後は本検証の精度情報に基づき、運動器疾患の回復過程や治療効果について歩容の切り口から研究を進め、医療分野への貢献を目指します。大阪大学大学院医学系研究科運動器スポーツバイオメカニクス学共同研究講座について大阪大学大学院医学系研究科運動器スポーツバイオメカニクス学共同研究講座は、医療機器開発、製薬、再生医療事業に関する5企業が参画し、運動器スポーツ障害及び関節疾患の診断・治療・予防に関わる医療機器研究開発の推進を目的としています。設置場所: 大阪大学大学院医学系研究科設置期間: 2019年4月1日から2025年3月31日研究開発責任者: 中田研 教授、辻井聡 特任講師URL: http://www.comit.med.osaka-u.ac.jp/jp/project/projectA18.html