株式会社ORPHEはデジタル庁「Trusted Web の実現に向けたユースケース実証事業」の参加事業者に採択されました。「Trusted Webの実現に向けたユースケース実証事業」は、2019年のダボス会議・G20大阪サミットにおいて日本が提唱したコンセプト「DFFT(Data Free Flow with Trust:信頼性のある自由なデータ流通)」推進のためデジタル庁が株式会社NTTデータ経営研究所に依頼して内閣官房デジタル市場競争本部と連携して実施する「Trusted Web 共同開発支援事業に係る調査研究」において、Trusted Webの要件を備えたプロトタイプシステム(アプリケーション)の企画・開発の実証を支援する事業です。ORPHEは「下肢運動器疾患患者と医師、研究者間の信用できる歩行データ流通システム」のユースケースを提案し、採択されました。「下肢運動器疾患患者と医師、研究者間の信用できる歩行データ流通システム」概要ORPHEは変形性関節症を中心とした下肢運動器疾患に悩む患者の日常生活において適切な歩行を行いたい・医療機関の適切な指導をしたいという要求を叶えつつ、研究機関への情報提供を可能とするシステムを提案しました。このシステムは加速度的に治療法の発見、医療機器の開発、製薬といった活動を進捗させることを可能とします。変形性膝関節症の自覚症状を有する者は約1,000万人、潜在的な患者(X線診断による患者数)は約3,000万人と推定されています。重症の変形性膝関節症では、関節変形、運動痛及び可動域制限等により起立歩行が障害されます(出典:厚生労働省, 介護予防の推進に向けた運動器疾患対策について報告書, 平成20年)。ORPHEが提案するシステムでは、変形性膝関節症などの運動器系疾患を患う患者の日常的な歩行データ等の生体データとアンケート等の主観的な記録データをウェアラブルセンサとスマートフォンアプリを用いて記録し、分散型ID(DID/VC)のもとで記録データをブロックチェーン技術と紐づけてユーザー管理の記録領域に記録可能とし、ユーザー同意に基づいたデータの拠出に紐づけてポイント/トークンを発行します。また、そのデータを医師や研究機関などに患者の同意を得た上でデータを活用可能とするシステムの構築を目指します。ブロックチェーン技術を用いるシステムはDataGateway Pte. Ltd.*と共同開発します。下肢運動器疾患の研究・製薬を行いたい第三者機関は、このシステムに問い合わせることで患者の個人情報に触れることなく対象となる患者のデータに提供オファーを出すことができます(例:「60代女性・重症度Kellgren/Lawrence(KL)分類で4の方の日常データを100人分集めたい」といったオファー)。第三者機関はトークンを購入し、購入したトークンを利用してデータを取得できます。患者にとってはデータ提供に同意すると相応するポイント/トークンを得られることがデータ記録のインセンティブとなります。*DataGateway Pte. Ltd.について: DataGatewayは、「情報は自己がコントロールする=Data Self Sovereignty」の実現を目指し、製品・サービスの開発・提供を行う技術研究開発型企業です。